Round0. プロローグ

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ひんやりとした金属独特の感覚を手首付近に感じた。 待って。 私はたしか、頼んだコーヒーを飲んで……それからどうしたんだっけ。 目が覚めたばかりだからか、頭がぼんやりとするし、何故だかここに至るまでの経緯を思い出すことができない。 何度も手を動かしてみるけれど、ガチャガチャと無機質な音が響くだけ。 どうやら自分は椅子に拘束されているようだ。 両手は肘掛けに、両足も椅子の脚に沿うように金属の手錠のようなもので拘束されている。 身に覚えのない状況に狼狽(ろうばい)してしまう。
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