Round0. プロローグ

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なに、これ。 冷静に今の状況を把握していくつもりが、どうしても異常としか思えない現状に焦りが急速に増大していく。 「はあっ……やだ、やだやだやだやだ……何これ……はあ、抜けないっ……!」 手首と足首に手錠の細い金属が食い込んで、じんじんとした痛みが広がる。 それでも早く脱け出したくて、意味はないとわかっていても何度も何度も動かした。 夢だと思いたくても、この疼痛が夢ではないと伝えてくる。 どうしようもなく心臓がドクドクと脈打ち、胸の中で暴れ回って止まらない。 光も何も感じられない、四肢を椅子に繋がれている状況に気が狂いそうになる。
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