Round0. プロローグ

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ここはどこなのか、どうして私はこんなことになっているのか。 得体のしれない恐怖がどんどん込み上げて来て、胸の中を渦巻く。 吐きそうだ。 はっはっと呼吸は短くなって、口の中も渇いてしまって、心臓が破裂しそうなほど早鐘を打っている。 目を覆う布が、じわりと濡れていくのを感じた。 膝の震えが止まらなくて、それに合わせて小刻みに金属がカチャカチャと鳴る。 恐怖とはこんなにも簡単に人間を支配するのか。
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