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六年前、ひとりの男が死んだ。名前は、横山進(よこやま すすむ)。職業、検察官。死因は転落死。
検察庁の屋上から落ちたのだ。現場には、彼の遺書も、遺品も何も残っていなかった……。
彼の死に不審を抱いた検察官がいた。彼の名は、葛城礼司。検察庁内で、たったひとりで事件の解明をすることになる。
そんな彼が相談する相手が、妻の礼緒菜だ。調査したことを、パソコンに打ち込む。そんな事が2年続いた。
調査の結果、動機の解明と被疑者が判った。横山は、被疑者が公判資料の改竄(かいざん)を突き止めた為に殺されたのだ。
あとは、内部告発をするだけ、なのだが。
いつしか身の危険を感じた彼が、2通の書面をそれとは判らないように隠したのは、誰も知らない。
ある日。
妻の礼緒菜を呼び出した晴海埠頭で、彼は生涯を閉じる事になる。
……無人の大型トラックに跳ねられて……。
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