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「ひやっ!」
突然目の前に現れた顔に驚いた私は、変な声をあげ中腰の姿勢のまま体を反らした。
中腰の姿勢が悪かったのか?バランスを崩した私の足首がくきっと曲がり、
「あわわわっ…」
私は転びかける。
でも…
「おっと…危ない」
持っていた空き缶は床に落ちカランカランと転がっているけれど、私は転ばなかった。
それは何故か?
「あっ」
…藤崎雨。
彼が助けてくれたから。
藤崎雨が私を見下ろしながら、
「大丈夫か?」
と聞いてくる。
私の体を包み込む、柑橘系のさわやかな香りに、腰にまわされた腕。
その腕を離されたら、私はそのまま床へと背中を打ちつけてしまう。
そんな体勢のままで、
「大丈夫です。助けてくれて、ありがとうございます」
私は、彼にお礼を言った。
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