第二章

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「いや、俺が不意打ち的に声をかけたせいだから、悪かったな」 そう言いながら、藤崎雨が私の体を起してくれた。 まぁ確かにそれはその通り。 彼の顔が目の前に現れなければ、私は転びかけるという失態をせずに済んだ。 でも、ことは起こり、私は転びかけた。 その私を助けてくれたのは藤崎雨で、やはり助けてもらったお礼を言うのは、当然のことかと思う。 だから私は、 「それでも転ばずに済んだのはあなたのお陰。なので、ありがとうございます」 頭を下げて彼にお礼の気持ちを伝えた。 お礼の気持ちを伝え終えた私は、床に転がっている物を拾い始める。
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