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「いや、俺が不意打ち的に声をかけたせいだから、悪かったな」
そう言いながら、藤崎雨が私の体を起してくれた。
まぁ確かにそれはその通り。
彼の顔が目の前に現れなければ、私は転びかけるという失態をせずに済んだ。
でも、ことは起こり、私は転びかけた。
その私を助けてくれたのは藤崎雨で、やはり助けてもらったお礼を言うのは、当然のことかと思う。
だから私は、
「それでも転ばずに済んだのはあなたのお陰。なので、ありがとうございます」
頭を下げて彼にお礼の気持ちを伝えた。
お礼の気持ちを伝え終えた私は、床に転がっている物を拾い始める。
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