第一章

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私にとって、唯一信用出来るのがお金。 仕事でも何でも頑張れば頑張った分、ご褒美としてお金が私の懐へと入ってくる。 確かに今は親が残した借金を返済してるから、頑張って稼いだお金も右から左へと全部流れて一円も私の元には残ってくれない。 だけど、この借金さえ返し終われば、お金はちゃんと私の手元に残ってくれるはず。 そう信じて、今日も私は仕事をこなしながら、小遣い稼ぎに精をだす。 そんな私に声をかけてきたのは、 「片桐さん、今日もお願いしていい?」 一年先輩の橘沙織先輩。 「いつもの伝票整理ですか?」 「そういつもの伝票整理なんだけど、このままじゃ残業になりそうだから、頼んでもいい?」 沙織先輩は、顔も綺麗でスタイルもいいのに彼氏無しでフリ―。 だから狙ってる独身男性が多いらしく、デートのお誘いが尋常じゃない。 そんな沙織先輩は、仕事終わってからの方が忙しそう。
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