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「じゃ、ケンちゃんに聞いてみようか?」
「へ?」
「ミノリ君から聞きにくいなら、俺が聞いてみるよ~。それにほら、ミノリ君相手なら大丈夫って事もあるし!」
両手で拳を作り小さくガッツポーズをする修成さんを「止めてください!」と咄嗟に引き止める。
「聞かなくていいっすから!」
「でも気になるでしょ? 俺もミノリ君の為に出来る事があると思うし」
そんな事をケントに聞いたら不審がられるに決まってるじゃん!
まだ告白する決心だってしてないのに!
俺が止める声も聞こえていないのか、聞くつもりが無いのか、修成さんが勢い良く座布団から立ち上がり「行ってくる!」と部屋を飛び出した。
「修成さーん!」
急いで俺も修成さんの後を追うと、修成さんはケントの部屋じゃなく玄関へ向かっている。
どこに行くつもりなんだ、と玄関で靴を履き屋敷の外に出る。
すると外ではお年寄りから子供まで、沢山の人達が祭りの準備をしていた。
「お祭り……」
出店はちゃんとした屋台じゃなくテントの下で出すらしく、あちこちでテントの骨組みが建てられている。
修成さんの姿を探してキョロキョロしていると、修成さんはテントの骨組みを手伝っているケントの所に走って向かっている所だった。
祭りの手伝いもしなきゃいけないけど、その前に修成さんを止めなきゃ!
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