3689人が本棚に入れています
本棚に追加
/458ページ
「あの、修成さんに聞いてもいいっすか?」
「何? 何でも聞いて~」
花林糖をポリポリ齧り、ゴクリと飲み込んでからさっきから気になっていた質問を修成さんにぶつける。
「ケントって男もいけるんすか?」
これ、大事だよな?
俺はもうケントを好きになった時点でいける事は解った。
まぁ、その……男相手にシた事もあるし。
それは俺の意思じゃなかったけど。
「どうなんだろうな~?」
修成さんが気まずそうに目を逸らした事で何となく察した。
あ、無理だ、これ。
ガックリと項垂れる俺に、修成さんが「解んないよ!?」と慌ててフォローしてくれる。
いや、いいんだ。
普通はそうだもんな。
「学生時代は付き合ってる彼女とか居なかったし! ……あ、でも付き合ってない女の子とは……いや、その……」
「大丈夫っす。それが普通っすから……」
「ミノリ君、しっかりして~!」
俺も月守君に告白されて、『俺は男だよ?』と答えた。
多分俺がケントに告白しても同じ事を言われるに違いない。
俺、女の子だったら良かったんかな。
自分の性別を恨んだのは人生初だよ。
.
最初のコメントを投稿しよう!