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この青い羽根の奇跡はまだ序の口であった。
~次の日~
朝のチャイムが鳴ると同時に私は教室へスライディング。
(ま......間に合った......。)
久しぶりの遅刻、理由は妄想にふけりすぎたから。
好きなあの人に告られたら?
そしてちらりと見やるのはクラス、いや学校1のイケメンこと萩野悠。
成績がクラス1位になったら?
......はぁ。
私はキラキラの中学生のような妄想に溜息をつくと、慣れない手つきで教科書を机にぶち込んだ。
いくら青い羽根が凄いと言っても、それは流石に無理......ん?
手に何が当たった。
教科書ではない、薄い紙みたいなもの。
文字通り、がさごそとそれを取り出す。
「......ルーズリーフ?」
A5の26穴の何の変哲のないルーズリーフ。しかも折り目がない。
「誰がこんなゴミっーー」
そして丸めようとした時、何かが書いてあるのに気付いた。
半分くしゃりとなった紙を伸ばす。
“今日の放課後、屋上に来て下さい”
差出人がないということはもしかして......
「ーー果たし状?」
今でも果たし状を送る奴がいるのか。
そういうことにも驚きだが、まさか自分に来るとはーー
私は素早くポケットに突っ込む。
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