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「…あぁ。匂いが違うね、魅入られたのかい?それとも迷い子かね?」
「…………………えっ?」
老婆が気の毒そうにそう呟いた気がした。
ぼけてるのだろうか……。
声しかわからないが相当歳をくってるはずだった。
「悪いことは言わん。駅に戻りなさい、あそこはまだ安全だ」
駅からだいぶ歩いた気がする。
この老婆は何故私が駅から来たと知ってるのだろう。
確かにこの道は駅に通じるけど行き止まりじゃない、駅の向こう側もあるのだ。
困惑する私に気づいてか、クスリと笑いが聞こえた。
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