第一章

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…………はぁ、疲れた。 今日も凄く疲れた。 心の中でそんな事を愚痴って、私は電車内の隅っこの席に腰掛けて何をするでもなく深く溜め息をこぼした。 普段なら混み合う最終電車。 何故か今日は空いていて、こうしてまばらしか伺えない乗客を見るのは会社帰り初めての事だった。 都内での一人暮らし。 決して楽じゃない。 電車は行きも帰りも馬鹿みたいに混んでいるし、こうして座れる事で至福を感じる。 それ程私はこの都会に染まり、それ程に私は息抜きと言う息抜きをしていないのだと実感した。
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