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「理解するための名付けなのかも知れんが……その名を失う事こそが人間の闇じゃ」
「俺達は皆、名を持ってませんよ?」
老婆は頭部から角を剥き出しにする。
「我々は確かに名を持っとらん。だが異形と形作られ、わし達は人間共から多くの影響を受けてきた。そして────鬼と名付けられた。例外なく、この世の全ては闇に通じるのじゃ」
「此方の意志は関係なくってことですか?人間の意識がそうである限り……」
老婆はこくりと頷く。
やはり人間は災いでしかないのだと落胆しかない。
昔が懐かしい。
遙か太古だ。
名などなく、全ての異形と人間達が暮らしていたあの時が懐かし………………。
人間のような夢を描いてしまった。
またあの頃のように手を取り合えたらと…………。
あの人間達はまだ此処等で彷徨いてるのだろうか?
だとしたら最後の頼みじゃ。
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