第十五章

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「…………駅で待つけど…」 あっ、どうしよう。 香織の目が潤んでる…今にも溢れ出してしまいそう。 「沙耶が来ないかぎり電車乗らないからね!!!!」 震えてる声色に、申し訳なくなる。 私は還る気満々だ。 還らなきゃ伝承できないし。 だからそれに、にこりと笑んだのだ。 「…逃げた鬼達に気を付けてね?」 「うん!!」 「絶対行くから待ってて?」 「うん!」 とうとう溢れ出してぽつりぽつりと香織の頬を濡らしたのを見て、私は眉を下げた。
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