第十五章

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「ごめんね、香織」 申し訳なくて、香織を泣かせてしまったことによって、私も悲しくなってきて謝った。 それに香織はぶんぶんと頭を振る。 「沙耶と一緒にいたいのに…此処にいたくなくて…こんな訳わかんないのもう嫌で─────」 泣きながら早く還りたいと香織が言う。 わかるよ…。 わかる。 普通ならこんな訳わからないの嫌に決まってる、私だって嫌だ。 でも─────── 「匠くん、香織と一緒にいてあげて?」 私はちゃんと最後まで見ておきたい。 だから我が儘を突き通す。 ごめんね。 二人とも。
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