第十五章

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それに驚いた様子もなく、老婆はくつりと喉を鳴らした。 「真の闇よ、主に聞きたい。まともな適合者は見てきたところお前だけじゃった。訳はなんじゃ?」 「ふっ」 老婆を覆い尽くすようにして、背後のソレは口角を上げて笑んで見せた。 父は相変わらず一人狂ったように高笑いを繰り返す。 「何………?闇が────」 ──────消えた!! ぶわっと煙に煽られたように一瞬にして深い深い闇は消えたのだった。 「訳……?それを聞いてどうする、そもそも君にそれを理解するのは些か難しいのではないかね?」 君は”知る者”ではないだろう?    闇はやはり優雅にそれを伝えるのだ。 って言うか…話が全くわからないんだけど。 私、頭悪いのかな………? お父さん、大丈夫じゃないよね?あれ。 老婆と話してるアレは何? 知る者って何? 疑問ばかりが浮かんでは消える。 何で渦巻いてた闇は消えたの?
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