第十五章

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怖くて恐ろしいそれに、私はひたすら耳を傾ける。 伝承するんだ。 伝承するんだ。 「知る者では確かにない、じゃがこれはわしが知るべき事だと思うのだが」 「君にそれを知る権利はないね、それとも取り引きするかね?闇との取引だ」 彼は楽しんでる。 老婆が顔を歪めるのを背後で楽しみながら、老婆の角を青白い指で優しくなぞる。 「無論、断るなんて言わないだろうね?」 くつくつと闇の男は天を扇いで高らかに笑うのだった。 「………ねぇ、あなたいつになったら私の存在に気付くのかしら?」 「なっ!!!!!???」 ガサッと音を立てたのも気付かないほどに、私はいつの間にやら隣に座っていた女性に驚いた。 「あぁ、ほら。あなたが驚くからばれちゃったじゃない」 真っ白な肌。 暗がりでもキラキラと輝く金髪の髪…………。 唄うような口調で私を咎める彼女は誰だろう? あの男が悪魔ならば、彼女は反して天使のようだった。 女神と呼んでも恐らく不思議はないほどに、愛らしくて同時に美しい人。 「こんにちは、可愛い可愛い伝承者さん」 撤回する。 彼女から感じたのは好奇だ。 それもとても幼い子供のような狂気を踏まえて………。 背筋に冷たいモノが伝う。 此処に……異次元に正常なモノ等いるはずないのだ。
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