第十五章

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何を問われてるのかわからない。 だから彼を見据えた。 「意味が分からないかね?なら、簡単にかつ、手短に聞こうじゃないか」 闇はくつりと笑んで、腕を振り上げた──────。 「────っ??!!」 瞬間、そこにいたはずの父と、そして老婆さえも唐突に闇へと呑み込まれ消えたのだ。 それに気付いて、私は一歩後ずさった。 「覚悟はあるかね?」 再び問うてくる。 「この世界を伝承するというのなら枷を背負わなければならない」 「………自分も感染してるっていう意味ですよね?」 声が震える。 息が乱れる。 彼から発せられる全てが私を威圧してくる。 「否、君は再び怪異に還るのだ。君のあるべき場所は最早”此処なのだ”という覚悟はあるかね?」 まぁ、今更拒否しても君に拒否権はないのだが。 と彼は絶望の言葉を私に告げる。 「君には最早わたしと言う傍観者と、こうして対峙してる時点で伝承者としての役割を担っているのだ。良いかね、良く聞きたまえ、そして理解するといい」 彼は私の絶望的な表情を見据えて、楽しそうに優雅に私に告げてくる。 苛立ちなんて物じゃない。 そんなものさえ感じさせずに、私に深い深い絶望だけを突きつけてくる。 「伝承者は”消える”だけでは済まない────」 「──────っ、何で?」 「理解するといい。魔女はそうやって理解して行き、”魔女”である事を唯一許された」 訳わかんない─────。
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