第一章

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そんな事を思って体を捻り背後の窓から暗がりの外を眺めるが、真っ暗で何も見えない。 ……………………………見えないのだ。 真っ暗な闇で覆われているそれに愕然とした。 都心でこんな闇はそうそうないと思う。 街灯の光さえも伺えない。 近くに民家のようなものも伺えず、中途半端に寝てしまって働かない頭の片隅で降りなければと瞬時に思った。 いつの間にか見渡せる車両の中には自分一人で、どれだけ寝たんだと自分を攻めた。
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