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失敗だった……。
まさかニアにこんな弱点があるなんて思いもしなかった。
僕たちは今、駅の廃墟の中にいる。
出入り口をゾンビやグールに封鎖され、外に出られなくなってしまったのだ。
まあ脱出する方法が全くないというわけではない。
地下にある鉄道廃線を辿って行けば、そこから他の駅に通じているかもしれない。
しかしここで問題がひとつ――。
「ニアが地下に入ることを、これほど嫌がるなんて……」
僕の腕にしがみついたまま離れない彼女の姿を見て、僕は自分の置かれている状況が想像以上にマズいのだと悟った。
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