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「貴方、何者ですか…………。同業者のようですが…………」
女性は、少しばかり奇抜な格好だった。
頭にはゴーグル。大きなサイドテールの髪型、さほど寒くもないのにマフラーを着用し、服装は着物だが、右腕だけを脱いで着崩し、サラシを巻きつつも、先ほどから大きな胸をちらつかせる。
手も籠手などではなく肘まであるような手袋。
防具も武器もない。
「へぇ?よく分かったじゃなぁい?って言うかぁ…………アンタも退魔師なんだぁ~♪」
「貴方、何しに?」
「アタシぃ?この先にあるオモチャが欲しくて来たのよぉ。あの日以降、あの手のオモチャはなかなか無くてねぇ……。たまにはオモチャも欲しいじゃなぁい?」
(………オモチャ?見た所、ふしだらな印象ですが、子供でもいるのでしょうか。)
「そうですか。」
「アンタ、ここを通りたいんでしょぉ?」
「…………何故それを?」
女性は髪をかきあげながら、ニヤニヤと笑いながら、ペロリと舌を出す。
まるで獲物を見つけた獣だ。
これには隣国も背中に悪寒を感じずにはいられない。
「………んふふ♪ひ・み・つ♪」
と、言いつつも隣国の手を引き、強引に自分の胸元に手を突っ込ませる。
「な、なにを………!?」
手を思わず、引き抜こうとすると何かゴツゴツとしたものが触れる。
(これは………?)
「ああん♪駄目じゃなぁい♪もっと激しく…………♪」
女性は、淫らな声を上げつつ、胸を押し付けて、その胸元の石をまるで「取れ」と言う様に仕向ける。
「ん…………♪そう、そこよ♪」
隣国は石を掴むと、ようやく腕を解放して貰える。
「ああん♪もう、ゴーイン♪」
「…………貴方の方でしょう。」
石を見ると、それにも特殊印が刻まれている。
「あ・げ・る」
「…………何故です?」
「アタシの事、知りたい~?でもダメ♪キャハッ♪アタシの事知りたかったら…………」
女性は、隣国の胸を鷲づかみにして、その上で撫で回す。
「次は体の隅々まで………秘密交換、しましょ…………。」
手を離して、いやらしい笑顔を向ける。
「ね?」
そう言うと、女性は禁区に入ると、そのまま行方が分からなくなった…………。
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