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「……………。」
隣国が問いかけても、まだ新九朗は呆けていた。
隣国が、それを見るや右手を天でクルリと回す。
すると、どこからともなく新九朗の頭上に水が収束して現れて、コップ一杯分くらいの水が新九朗に降り掛かった!
「うわっぷ!……………な、なんだ!?」
「…………これが、忌道です。法則に乗っ取り、私は水しかまだ使えませんが………」
「へ、へぇ………そうなのか!」
「リンゴちゃん、凄い…………ホントに魔法使いみたい………」
2人は、ただただ漠然と感動する。
新九朗はかかった水を舐めて見たりし始める。
「普通の水だ………」
「リンゴちゃん!リンゴちゃん!凄いね!リンゴちゃん!もっかいやってよ!」
その様子に頭を抱える隣国。
「……………貴方達にも習得してもらうんですよ?分かっていますか?」
「あ、あぁ!そうか!そうだったな!」
「あれ?そうだっけ?」
「そうなんだよ!シルキー、隊長の話を聞いてたか!?」
「え…………?た、多分…………」
「はぁ……………」
(習得には一番時間が、かからなそうな2人とは言え、この2人は少し心配ですね。)
「…………いいですか、変態とドジッ娘。禁区に着いたらまずは実戦を積んでもらいます。」
「やめろ!変態はやめろ!マジ傷つく!」
「なんでリンゴちゃんまでドジッ娘とか言うの!」
その、やかましい様子を見て、隣国はまた頭にカチンと来て、天で手を回す。
すると、今度は先ほどより多い水が2人に降り掛かる!
「うぶ!」
「きゃあっ!」
結構、冷たかったりする。
2人ともびしょぬれになってしまう。
「……………少しは静かに………」
「うーわ!最悪だ!」
「本当、びしょぬれ~!新九朗くん、あんまり変な目で………」
「ち、ちげぇよ!シルキー誤解だ!俺は決して変態じゃ…………」
「目がエッチ…………鼻の下伸びてる………」
「ち、ち、ちげぇよ!断じて!」
水をまいた所、2人ともうるさいと言う、隣国の悩みの種は更に育ってしまう。
「うるせぇえええ!!!」
隣国はとうとう痺れを切らして烈火の如くブチ切れた!
「……………は、はい」
「……………はい」
これには2人とも黙る。
-----後の話では、この時、隣国の顔は鬼、般若、ナマハゲの類の恐ろしい顔をしており、付近の悪夢達を根こそぎ震え上がらせたらしい。
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