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実里と奈津は仲がよく、いつも一緒にいた。必然的に俺たちも一緒にいることが多かったため、俺はこいつの扱いには慣れてしまった。
面白いことが大好きな軼は、テンションの落差が激しく、中間というのが存在しない。
今は入学式であまり知り合いが居らず、することが何もない。
まあ、守護霊というのは基本的にすることがないのだが、それでもおもしろいことを探してくるのが軼の特技だ。
だが、今はそれすらもないのだろう。
軼のテンションは非常に低く、言葉は容赦のない毒舌混じりとなっている。
こういう時は面倒なので、あまり会話せずに放っておくほうがいいのだ。
「ていうか、お前の格好変じゃね?」
実里たちから窓の外へと視線を移動したところでかけられた声に、どんな言葉も無視しようと思っていたのに、俺は思わず軼の方を見て大きく目を見開いた。
「ん?なんだ、なんでそんな不思議な人を見る目で俺を見るんだ?」
耳に付いたピアスを丹念に手直しし始めた軼を一度見て、それから自分の格好を見る。
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