5人が本棚に入れています
本棚に追加
――これは、夢……なんだろうか。
特別な日に起こったキセキ。紛れもない、神からの贈り物。
「……――」
人気のない道の一角で、君と目が合う。
それは、長い間切望していたことで。
叶う可能性など、ゼロパーセント以下だったはずの出来事。
そんな奇跡が目の前で繰り広げられ、歓喜というよりはこの事実を信じられない気持ちが大きくて、でもこの奇跡を離したくなくて、手が震えた。
血の通っていない手のひらを広げ。
きょとんとした目でこちらを見ている彼女の顔を通り過ぎ、肩に触れる。
久しぶりに感じる体温と、ぬくもりのある触れ合い。
それがまた俺の涙腺を刺激し、溢れた涙は頬をつたり顎へ行き、膝に落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!