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彼 「んじゃ、まずは、この建物のことを教えてくれねーか?」
マリー「そうね、それが先よね。ここは小さな世界といって、ホームレスや生活保護、お金のない人、鬱病とか、そういった精神病で困っている人が集まるところね」
彼 「・・・金には困ってるけどな」
マリー「そうでしょうね、あの子達、そういう人探してくるの得意なのよ」
彼 「俺はお眼鏡に叶ったっていうわけだ」
マリー「そうね・・・。あなたを見ていると、話したい事とかあるんじゃないかって、そう感じるわ」
彼 「あ?そいつは」
マリー「余計なお世話?」
彼 「あ?・・・ああ・・・」
マリー「話したくないなら無理にとは言わない」
彼 「なんか、あんた、母親みてーだな・・・あぁ、わるい意味じゃねーんだ」
マリー「母親だもの」
彼 「あ?ああ、あのガキ共がもしかしてそうか?」
マリー「ええ、そうよ」
彼 「あんま似てねーのな」
マリー「そうね、見た目に関して言えばね・・・。あの子たちは私の大切な子供達よ」
彼 「あいつらマセてるぜ」
マリー「そう?でも悪いマセ方じゃなくなかった?」
彼 「まぁ、なぁ、男のガキの方はちょっと生意気だったけどな」
マリー「ふふ、ごめんなさいね」
彼 「ま、俺よりはましさ」
マリー「そうなの?よかったら話してくれないかしら?」
彼 「・・・他の奴らにも言うのか?」
マリー「あなたが嫌なら言わない」
彼 「ふぅ・・・ま、いいけどよ」
マリー「あまり言ってほしくはなさそうね」
彼 「・・・俺の母親は売春婦だったんだ」
マリー「そう」
彼 「・・・色んな男を捕まえてきては、俺の前でも平気でヤりやがった」
マリー「嫌な気分になった?」
彼 「はっ!当たり前さ」
マリー「恨んだ?」
彼 「あ?・・・いいや」
マリー「そうね、そんな風にはみえないわね」
彼 「・・・優しかったんだ」
マリー「そうだったの・・・」
彼 「ある日、母親がまた男を連れて来た。だけどな、そいつは今までのと違くてな、俺を殴ってきたんだ」
彼 「それを止めた母親も殴られた・・・。そいつは銃を持ってたんだ、そいつが母親を殴りつけている間に、俺はそいつの銃を奪ってな」
彼 「俺は、母親を殴った男を殺しちまった・・・」
彼 「そんで豚箱にぶち込まれたわけよ・・・出てきたときには、母親は居なかったぜ」
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