第2章

7/81
前へ
/81ページ
次へ
テオ その日も同じだった。いつもと違うのは、おれは父さんから、家から逃げ出したこと・・・。 テオ「っ!はぁ・・・・はぁ・・・」 テオ どこをどう走ったのかわからない、父さんの声が聞こえなくなるまで、走り続けた・・・。 テオ「っ!・・・きょう、かい?・・・す、すいませんっ!すいませんっ!!だれか!だれかっ!!」 テオ 教会、白い教会・・・そこを見つけたおれは、無我夢中で扉を叩いていた。 シルフィリア「・・・?どうしたの?」 テオ「ぁ、、あ、そ、その・・・」 シルフィリア「・・・入って」 テオ「ぁ、、っ・・・」 テオ おれは頷いて、その人に招かれるまま、中に入った。 シルフィリア「座って」 テオ「あ、うん・・・っ、はい・・・」 シルフィリア「そんなに、緊張しないでいいよ」 テオ「ぁ、で、でも、おれ・・・」 テオ おれを椅子に座らせると、その人はしゃがんで顔を覗き込む・・・。 綺麗な、蒼い瞳が、おれを見つめてた・・・。 シルフィリア「怪我してるね・・・少しまっててね」 テオ「ぁ、はい・・・」 シルフィリア「少し、染みるかもしれないけど、ごめんね」 テオ「っ・・!」 シルフィリア「痛かった・・・?」 テオ「へ、平気、で、す」 シルフィリア「ん、これで終わり、本当に痛くなかった?」 テオ「っ・・・平気、です。その、すいません、こんな、夜に・・・」 シルフィリア「平気、気にしないで」 テオ「あ、あの、おれ、いかない、、と・・・」 シルフィリア「・・・誰かにつけられた傷だよね」 テオ「ぁ、ち、ちがっ」 テオ 違う、そう言おうとしたおれを、さっきと同じ蒼い瞳が見つめた。 ・・・憂いを帯びた、そんな眼が見つめている。 シルフィリア「よかったら、話を聞かせて」 テオ「ぁ、で、でも、いきなり、きて、その、おれ・・・」 シルフィリア「・・・話しづらいことだよね」 テオ「ぁ・・・うん」 シルフィリア「話したくなかったら、無理しないで良いよ」 テオ「・・・父さんから、にげて、きたん、です」 シルフィリア「うん」 テオ「なぐ、られて・・・それで・・・」 テオ「いつも、いつも、っ、殴ってきて!!」 シルフィリア「うん」 テオ「それで、おれ、、家、出て・・・」 シルフィリア「辛かったよね・・・それでも、お父さんが好きなんだね」 テオ「・・・うん」 シルフィリア「震えてる・・・」 テオ「ぇ・・・ぁ・・・」
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加