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テオ その日も同じだった。いつもと違うのは、おれは父さんから、家から逃げ出したこと・・・。
テオ「っ!はぁ・・・・はぁ・・・」
テオ どこをどう走ったのかわからない、父さんの声が聞こえなくなるまで、走り続けた・・・。
テオ「っ!・・・きょう、かい?・・・す、すいませんっ!すいませんっ!!だれか!だれかっ!!」
テオ
教会、白い教会・・・そこを見つけたおれは、無我夢中で扉を叩いていた。
シルフィリア「・・・?どうしたの?」
テオ「ぁ、、あ、そ、その・・・」
シルフィリア「・・・入って」
テオ「ぁ、、っ・・・」
テオ おれは頷いて、その人に招かれるまま、中に入った。
シルフィリア「座って」
テオ「あ、うん・・・っ、はい・・・」
シルフィリア「そんなに、緊張しないでいいよ」
テオ「ぁ、で、でも、おれ・・・」
テオ
おれを椅子に座らせると、その人はしゃがんで顔を覗き込む・・・。
綺麗な、蒼い瞳が、おれを見つめてた・・・。
シルフィリア「怪我してるね・・・少しまっててね」
テオ「ぁ、はい・・・」
シルフィリア「少し、染みるかもしれないけど、ごめんね」
テオ「っ・・!」
シルフィリア「痛かった・・・?」
テオ「へ、平気、で、す」
シルフィリア「ん、これで終わり、本当に痛くなかった?」
テオ「っ・・・平気、です。その、すいません、こんな、夜に・・・」
シルフィリア「平気、気にしないで」
テオ「あ、あの、おれ、いかない、、と・・・」
シルフィリア「・・・誰かにつけられた傷だよね」
テオ「ぁ、ち、ちがっ」
テオ
違う、そう言おうとしたおれを、さっきと同じ蒼い瞳が見つめた。
・・・憂いを帯びた、そんな眼が見つめている。
シルフィリア「よかったら、話を聞かせて」
テオ「ぁ、で、でも、いきなり、きて、その、おれ・・・」
シルフィリア「・・・話しづらいことだよね」
テオ「ぁ・・・うん」
シルフィリア「話したくなかったら、無理しないで良いよ」
テオ「・・・父さんから、にげて、きたん、です」
シルフィリア「うん」
テオ「なぐ、られて・・・それで・・・」
テオ「いつも、いつも、っ、殴ってきて!!」
シルフィリア「うん」
テオ「それで、おれ、、家、出て・・・」
シルフィリア「辛かったよね・・・それでも、お父さんが好きなんだね」
テオ「・・・うん」
シルフィリア「震えてる・・・」
テオ「ぇ・・・ぁ・・・」
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