ソカレリル・カレィドスコォプ

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ネトゲ。ソシャゲ。アプリ? ……とにかく、ケータイとか、スマホとかでできるゲームで、それは今ものすごーく人気がある。らしい。 「……で?」 アタシはアオイの手元をのぞきこんだ。柑橘系の香りがした。 アタシも同じ制汗剤使ってるから同じ匂いがしてるのかもしんない。 買ってもらったばっかりのアタシのスマホに、見慣れないアイコンが増えてる。 「アバターの名前はどうする?うららちゃんのまんまでいーい?」 夏休み直前の教室は暑い。 窓は全開で、カーテンが揺れてた。 「なんで勝手にゲームなんか入れるかな」 アオイの手からスマホを奪い返した。 ゲームとか、めんどくさいし苦手。 「いいじゃんうららちゃぁん。一緒にやろうよぉ」 机に突っ伏してアタシを見上げる美人をちょっとだけにらむ。この感じだと、アオイはアプリ消させてくれないと思った。 他に詳しそうな人……。 アタシは教室を見回す。 いっつもその辺にいる彼がいない。 ……と思ったら、トイレか何処かに行ってたのかな? 教室に入って、真っ直ぐ着席する幼なじみの所に行った。 「しんちゃん!」
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