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誰かが叫んでる。口を閉じていられない。ヨダレが垂れちゃったらみっともないな、なんて事を頭の隅っこで考えてた。
「いやあああああああああ……っ!」
この、痛いのを抜けて、空っぽになるギリギリで大地に『アタシ』を広げるんだ。
頭がガンガンする。
「……『水面』を選ばないからだよ。そのままだと、死ぬよ?」
呆れたみたいな、諦めたみたいな未来のアタシの声が聞こえたような気がした。
「アタシ、手伝えないからね」
アタシの気配が消えて、寒いのが増える。
アタシの予想じゃ、これを三日。三日耐えたら、痛いのは楽になるハズなんだ。
辛いけど、しょうがない。
……だって、アタシ、アラステアさんに『水面』になって欲しい。他の人じゃ、やっぱり、やだ。
でも、それは出来ない。
アラステアさんにはアラステアさんの望み通り、この国の王様でいて欲しい。
だったら。
だったら、アタシは、アラステアさんを水面にして、ずっと一緒にいることをあきらめる。他の方法で、アラステアさんと一緒にいることにする。アラステアさんが死んだあともこの国を護る存在になりたい。
この神殿にいる、他の精霊の成れの果てみたいに。
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