帰国、そして、

13/13
前へ
/156ページ
次へ
「うららさんは?私の事を愛していてくれんだろう?……いや、本当の名前は『わたせれい』だったかな?」 「レイ・グム・オウロ・アウルム」 鞘には、アタシの魂が入 ってる。 剣にも、アラステアさんの魂が入ってる。 「アラステア・グム・オウロ・アウルムがアラステアさんのちゃんとした名前なんでしょ? だったら、アタシは奥さんなんだから……その……そう、なるんでしょ?」 「ふふふ、うん、そうだね」 アラステアさんの笑顔は、よく晴れた青空みたいだと思った。 その空を切り取ったみたいな、青色の剣。 アタシはその剣をアラステアさんによく見えるように持つ。 「名前を呼んで。アタシの名前を。 アタシの水面、アラステア・グム・オウロ・アウルム。 アタシはあなたを、番(つがい)として受け入れます」 鞘が、パアッと光って、すぐに光が引いていく。 「私の花散らし、レイ・グム・オウロ・アウルムよ。私があなたの番の相手だ」 剣がパアッと光る。 未来のアタシが持ってたのと同じ、波に似た模様が浮き上がった。 契約、完了。
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加