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学校が終わればいつも通り、アタシはバイトだ。
バイトも終わってこれから向かうのは、従業員エリアの奥にある階段。
「しんちゃん、入るよ?」
普段、アタシみたいなバイト従業員はほとんど使うことがない階段を上って、しんちゃんのお家エリアに入る。
廊下を少し行った右側、しんちゃんの部屋の戸をノックして、返事を待ってから入ろうとした。
…………………………は?
「 ……えー……、と?」
一体ナニゴト!?
戸を開けたら、しんちゃんとアオイが部屋の中で、アタシに向かって土下座してた。
アタシはささっと戸を閉める。
今、イヤなこと思い出しかけた。忘れろ、忘れるのアタシっ!!
なんだったんだ、 いまの 。
たっぷり時間をかけて悩んでたら、戸が開きかけた。つい、アタシは開かないように押さえちゃった。
……あれは、あっちの世界の王宮の広間だった。
ずらっと並んだ、明らかに偉そうな人たち。
全員が涙目で……うわ、やっぱり忘れたい。
「ゴメンなさい。俺たちとっくに別れてました」
戸の向こうから聞こえたのは、しんちゃんの声。
びっくりして、力が抜けたところをすかさず戸が開く。
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