第1章

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今井理香は、少し考え込んでいたが、すぐに携帯から司へ電話をかける。「はい。もしもし」「あ、総長っすか?」 「あれ?もしかして、理香さん?」「はい!あの、今大丈夫っすか?」「うん。丁度、夕食の支度が終わった所だから」 司は携帯の口を押さえて「麗子さん、ちょっとすみません」と言いながら、大広間のテーブルから少し離れた場所へ行ってから 「どう?タイマンの段取りはついた?」と、訊いた。 「はい。二日後の日曜日の夜七時に。場所は、総長が山本とタイマン張った、あの店です」 「わかったわ。場所は覚えてる。十分前くらいに着けばいい?」「はい・・・それで、ちょっと、変更がありまして」 「うん?何?」「闘う相手が、紫幽嬢のリーダーじゃなくて、助っ人の黒崎爛て女になったんすけど・・・」 「へえ・・・うん、私は別に、構わないよ」「そうすか・・・わかりました。あたしは総長を信じてますから!」 「うん。ありがと。勝てるかどうか、やってみないとわからないけど、多分、大丈夫だと思う。 今、すんごい技を特訓してるんだ!」「ええっ!ほんとっすか!」「うん。じゃ、また二日後にね!」 「はい!総長、特訓、頑張ってください!」「うん!じゃ、また!」二人は電話を切った。 今井理香は、大喜びで、飛び上がって喜んだ。すっごい技って、どんなんだろ? 「たっのっしっみーっ!!」と、人目も憚らず、筒井は大声で叫んだのだった。
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