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真っ暗な寝室。
自分が目を開けているのかも定かではない。
ふわふわのダブルベッドに全身を預け、目を閉じた先に見えるさらなる暗黒に恐怖を覚えて再び瞼をゆっくりと開ける。
「かわいい子はいいよな~、なんの苦労もせんと収入ある旦那捕まえて玉の輿にのって専業主婦なって。ブスは自分で働いて稼いでいかなあかんねんもんな」
「でたでた、百々海(ももえ)いっつもそれ言うよな?」
かれこれ出会って二年半にもなる、心の友でもあるあんずを横目についついいつもの調子で話してしまう。
こんな話ができるのも二人のときだけだ。
あんずにならなんでも話せる。
いや、正直いってあんずもわたしと同レベルな人間だからこそこんな話ができるのかもしれない。
こんなことかわいい子に対して言えるはずもないわけで。
だって、そんなのただの僻みになっちゃうだけだけだから。
いやいや、こうやって陰でこそこそ言うのも十分僻みなのか……
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