天下無双の修学旅行

18/21
50人が本棚に入れています
本棚に追加
/435ページ
俺達は言葉を失った。 なんて店に連れてきたんだ。この愛人は。 一般人にはとてもまたげそうにないくらい高く見える入口をあやめはすたすたと入っていく。 途端、黒服の屈強なお兄さん達に囲まれる。 「ち、ちちちちちょっとあやめ…。」真っ青なあかね。 刺し違えてもあやめを守る。そう覚悟を決めて拳を握ったとき、 「いらっしゃいませ、月島様。」 屈強なお兄さん達が、一斉にあやめに頭を下げたのである。 「…。」呆然としている俺達を前に、「こんばんは。今日は学友ときましたの。料理長オススメメニューを人数分お願いします。」と言って、俺の手を引く。 「えっ、えっ?」となっている俺を引っ張る。 「あかね、行こう。」覚悟を決めた哲也が、茜の手を引いてついてきた。 一番奥の、間違いなく超VIProomにとおされた俺達。 恐る恐るメニューを見た茜が声にならない、すなわち口をパクパクさせてメニューを見せる。 隣で見た哲也、前で見た俺も、口をパクパクするしかなかった。
/435ページ

最初のコメントを投稿しよう!