休日 大型スーパー

25/26
前へ
/849ページ
次へ
「耕太?」 考え込んだオレの顔を、真紀が心配そうに覗き込んだ。 「いや、岸本さんがすっかり良くなって一般病棟に移るのかと思ったからさ。そんなに具合が悪いなんて、ちょっとショックだった」 「耕太は優しいから」 そうなのか。オレは優しいのか?自分のことを第一に考えてはいないか?純粋に、岸本さんが死なずにすんだことを喜んでいるというのとは違う気がする。 「そんなにひかりさんのことを心配しているなんてさ」 「そ、そりゃあ。普通だろう」 この後に何を続けてもまずいような気がした。 知り合いだからとか、うちの子どもたちの友だちのお母さんだからね、とか、この前会って顔見知りだからな。なんて、何を言っても真紀に怪しまれるような気がする。
/849ページ

最初のコメントを投稿しよう!

240人が本棚に入れています
本棚に追加