トイレットペーパー

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 後々この件を妻に話し、トイレットペーパーの製造元に問い合わせをしようと思ったが、妻の話では、使い切った品を含んだ六つ前までのトイレットペーパーは、普段使用している物とは違う、たまたま買った安売りの品で、すでに外装は捨ててしまったから製造元は判らないということだった。  そしてもう一つ。これまで使い切って来た品々には、そんな文字は書かれてはいなかったという。  あれが何を差しての言葉なのか、いまだに俺には理解ができない。  単純に、ペーパーが尽きたという宣言なのか、それとも、最終的な使用者がオシマイ…何らかの形で破滅するという意味か。  どちらにしても気味が悪いことに変わりはない。だけど製造会社が判らないので意図を尋ねることもできず、理由は突き留められないままだ。  ちなみにこの件以降、妻には、トイレットペーパーは安売りの品があっても、いつも使っている物を買うように指示している。  それともう一つ。妻に怒られても、俺はトイレットペーパーが終わりに近づくと、圧縮部分を決して使わず、さっさと新しい物に替えてしまうようになった。 トイレットペーパー…完
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