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そうして珠架はちらりと燈羅に視線を投げる。
「先程はうちの者が失礼した。主思いが過ぎることがたまにあるが根はいい奴だ。同じく主を想う心に免じて許してやってはくれないか」
そう問われ珠架を見ると「ね、許してあげよう?」と言うようにこちらを見上げていた。
「わかりました。今回はこの心に免じて許してあげます」
そういうと沙紀は、踏みつけていた足をどけ犀都の頭の前でしゃがんだ。
「主たちとこの心に免じて許してやる。顔を上げよ」
「……はい」
言われるがまま顔を上げると、白銀の長い髪をした女が手を差し伸べていた。
「すまない、感謝する」
その手を取ると、沙紀と呼ばれた女はフンっと鼻を鳴らした。
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