1.出会いは睦月、実りの宴

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帰り道、折角なので最近出来た(といっても神様感覚なのだが)という人界から天界へ渡る門を通って帰ることにし、私たちはその門のある場所まで少し歩いた。 ちょうど視察に降り立った地から近かったのだ。 本来ならば人界で言うところの大名行列のように大勢の家臣を連れて燈羅様を神輿に乗せて運んでも良いのだが、無駄に派手なことを嫌う燈羅様のご希望で私たちは二人で視察へ出かけたのだった。 始めのうちは良かったのだが、二人きりだと段々話すことが無くなってくるのが悩みの種。 まして普段から口数の多い方ではない燈羅様が相手だ。 盛り上げようにも、まさか子どものようにはしゃぐ訳にもいかないし。 いや、我々天界人(てんかいびと)は歳をとらないが見た目的な問題だ。 人間でいうところの二十代前半の男が子どものようにはしゃぐのは如何なものかと……。
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