1.出会いは睦月、実りの宴

5/8
前へ
/8ページ
次へ
付き人として威厳たっぷりに告げた犀都(さいと)だったが、興味が湧いたのか得体の知れないソレに指を伸ばす燈羅に気付き、慌てて制する。 「な、なんですかその目は……」 その行動に燈羅は少しムッとしたようだった。 「のぅ、我が怖いのか?」 犀都の反応を見ていたソレは不思議そうに首を傾げた。 「な、私がちっぽけなお前如きを恐れているとでも!」 「安心しろ、我は怪しい者ではないぞ」 「いや、十分怪しい……って、ちょっと、何してるんですか燈羅様!」 見るといつの間にやら燈羅は人差し指でソレの頭を撫でていた。 そしてソレも気持ち良さそうに撫でられている。 「先程から煩いぞ犀都。うちの者が無礼なことを言ってすまない。だが悪気は無いのだ。どうか許してやってくれ」 「燈羅様!?」 「良い良い。我もまだちゃんと名乗っていなかったし」 何やら会話を続ける二人についていけない。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加