0人が本棚に入れています
本棚に追加
地面におでこが付くぐらい深く深く下げた頭に、突然重みが加わる。
「まだだ、まだ足りない。それだけで赦されるとでも思ったか?」
「本当に、本当に申し訳ありませんでした!」
グリグリと足で踏みつけられる感覚。
珠架様とおっしゃったかの神は、一見とても小さく、弱く見えて、実体は我らと変わらなかったのだ、と思う。
嗚呼、踏みにじられるだけで赦しを得ることができるのなら、私はいくらでも己を差し出そう。
そう心に誓ったとき。
「わぁーっ! 駄目だよ沙紀ちゃん!」
(ん?)
「いいえ珠架様。この程度で許してしまっては今後もこの程度で許してもらえると思われるやもしれません。この間の猫又のような輩が増えては困ります!」
「で、でも」
「私は赦せないのです」
「でも今回はこの位に……。こちらの神の御付きの者であるようだし」
そうして珠架はちらりと燈羅に視線を投げる。
最初のコメントを投稿しよう!