*プロローグ*

3/4
前へ
/30ページ
次へ
____春。 桜並木がところどころ見え始める季節。 あたしは桜が大好き。 春が大好き。 あなたに初めて出会った季節だから。 _________________。 「唯羽(ゆう)。早く準備しなさいよー!入園式に間に合わなくなるわ!」 「いきたくないよぉー。」 八女 唯羽。5歳。 パパとママは海外で働いてる。 だから九州のばあちゃんのところに預けられたんだ。 引っ越してきて幼稚園の入園式に行くところだった。 「葵弥(あや)。唯羽のことほったらかしにしてるからそんなこといわれるんよ?もうすこし構ってあげなさいよ。」 「母さん、しょうがないでしょ?仕事なの。真咲(まさき)の秘書だからついていくしかないのよ。それに!こうしてたまに会う方が唯羽と音斗(おと)の成長が見れるからいいわよ。…唯羽!早くしなさい!」 ママはなにもわかってない! 周りの子たちはみんなパパとママがいるし、ばあちゃんじゃないもん! たまにこうして帰ってくるママをいじめるのがあたしは好き。 だって…構ってもらえるから。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加