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渋々準備させられて
桜並木をママと歩く。
この先に新しい幼稚園があるんだ。
｢うぅ。…お腹痛い。｣
｢え？！唯羽！大丈夫なの？！｣
あたしは生まれつき体が弱い。
あと、精神的にも弱いって言われる。
｢ママ、大丈夫。緊張してるだけだから！｣
｢あら、ほんとう？ならいいのだけど。｣
ママは早くパパの所に戻りたいんだろうな。
そんな気がした。
｢あれ？葵弥？｣
｢あ！！凛(りん)！久しぶりじゃない！｣
同じ幼稚園の子かな？
大人しめな男の子と手をつないだ女の人がママの名前を呼んだ。
その男の子が蒼(あお)。
あなただった。
初めて逢ったのは桜並木。
あたしと蒼が5歳の春のことでした。
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