*幼少期-唯羽side-*

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幼稚園についた。 幼稚園も桜が満開で綺麗だった。 「わあ。桜がたくさん咲いてるー。」 「唯羽ちゃんは桜が好きなの?」 蒼くんが話しかけてきた!! あたしは恥ずかしくて返事ができなかった。 「…う。あ、ママたちは?」 「…あっち。」 会話もままならないあたし達を置いて行ったママたちはまた別の女の人と話していた。 「さっき言ってた人達かもね。」 「…。」 「唯羽ちゃん!!!」 突然、蒼くんが叫んだ。 あたしはびっくりして涙目で蒼くんを見る。 どうしよう…。 怒らせた? 「これ、あげる!!!」 蒼くんが差し出したのは…。 綺麗な桜の栞だった。 「綺麗。」 「これ、ママがくれたんだけど僕男だからさ。唯羽ちゃんが桜好きなら唯羽ちゃんに似合うと思って。 よかったらあげる。」 蒼くんの顔はまたピンク色に染まっていた。 それが桜の花のせいなのかなんなのかはその頃のあたしには分からなかった。 「ありがとう。大事にする!」 初めて蒼からもらったもの。 今も大事に手元にある。 …桜の栞。
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