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「唯羽!蒼くん!こっち来なさい」
ママと蒼くんのお母さんに呼ばれていくと、また男の子と女の子がいた。
もう…人見知りすごいのにまた?
あたしはそんなことを考えていた。
「ね、唯羽ちゃんって人見知りする?」
蒼くんがまたいきなり話しかけてくる。
もう、心臓に悪い。
「そーいう蒼くんもでしょ。」
ぶっきらぼうな返事になる。
すると蒼くんが笑顔になった。
「うん!よくわかったねぇ。僕もすごく人見知りする!唯羽ちゃんと一緒!」
わ。
蒼くんってこんな顔もするんだ。
さっきまで互いにギスギスしてたけど、蒼くんが気を使ってくれてるのかな?
話しやすいかもしれない。
「お前が蒼か!」
一人の男の子が蒼くんに話しかける。
すると近くにいた女の人、恐らくお母さんが頭を小突く。
「こらぁ!陸(りく)!!!あんたいきなり呼び捨てにお前呼ばわりしないの!」
「いってええええ!」
ドッと笑い声が響く。
…この子、何?こわい。
「唯羽ちゃん…だよね?あたし、咲葵(さき)っていうの!よろしくね!」
咲葵ちゃんっていう女の子が握手をしてきた。
こうしてあたし達は出会った。
5歳の入園式、春のことでした。
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