*幼少期-唯羽side-*

4/8
前へ
/30ページ
次へ
「唯羽!蒼くん!こっち来なさい」 ママと蒼くんのお母さんに呼ばれていくと、また男の子と女の子がいた。 もう…人見知りすごいのにまた? あたしはそんなことを考えていた。 「ね、唯羽ちゃんって人見知りする?」 蒼くんがまたいきなり話しかけてくる。 もう、心臓に悪い。 「そーいう蒼くんもでしょ。」 ぶっきらぼうな返事になる。 すると蒼くんが笑顔になった。 「うん!よくわかったねぇ。僕もすごく人見知りする!唯羽ちゃんと一緒!」 わ。 蒼くんってこんな顔もするんだ。 さっきまで互いにギスギスしてたけど、蒼くんが気を使ってくれてるのかな? 話しやすいかもしれない。 「お前が蒼か!」 一人の男の子が蒼くんに話しかける。 すると近くにいた女の人、恐らくお母さんが頭を小突く。 「こらぁ!陸(りく)!!!あんたいきなり呼び捨てにお前呼ばわりしないの!」 「いってええええ!」 ドッと笑い声が響く。 …この子、何?こわい。 「唯羽ちゃん…だよね?あたし、咲葵(さき)っていうの!よろしくね!」 咲葵ちゃんっていう女の子が握手をしてきた。 こうしてあたし達は出会った。 5歳の入園式、春のことでした。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加