*幼少期-唯羽side-*

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入園式も無事終わって、ママが海外に戻る時間になってしまった。 なんで、一緒にいてくれないんだろう。 この離れる瞬間が本当に嫌だ。 「唯羽、音斗。またいい子にしとくのよ?次帰ってくるときはパパも一緒だからね!」 「ママぁ。嫌だよぉ」 音斗が泣きながらママにすがりつく。 あたしはお姉ちゃんだから泣かない。 ママは音斗の頭を優しくなでて、あたしの頭も優しくなでた。 「唯羽。音斗のことお願いね。お母さん、よろしくおねがいします。」 そう言って音斗をばあちゃんに託す。 音斗はギャン泣きしながらジタバタしている。 そうして、ママはまたあたし達から離れていった。 「音斗くん、唯羽ちゃんさみしいと思うけどばあちゃんが一緒だからね。たくさん遊ぼうね。」 ばあちゃんが優しくそういうけど、あたしは何も言わなかった。音斗はばあちゃんに抱きついて未だにぐずってる。 「音斗は!なきすぎだよ!お姉ちゃんだってねぇ!泣きたいんだからぁ!!!」 「唯羽ちゃん!!!どこいくの!!!」 あたしはばあちゃんの声を無視して駆け出して家を飛びたした。
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