プロローグ 真夏の昼の夢

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これは夢なのだろうか? いや、それはないだろう。感覚は鮮明だし、肌を焼く太陽も本物だ。 だとすればこれは現実ということになるのだが…。 でも、オレはそれほどまでに信じられなかったのだ。 姫香と篠原、それだけではなく月島会長や有栖川先輩までが『水着姿』で目の前に立っているというこの状況が。 「八神、死ぬ覚悟はできてるわよね?」 「八神君…流石にありえません」 ただしオレは正座に縛られた状態で、女子勢は魔術や武器を手にしているのだけど。 おかしい。オレは星凛戦に向けて行われる合宿に、代表の一人として来ただけのはずだ。 なのに何故こんなことになったんだ? 「何か言い残すことはあるかしら?」 今まで一度も見たことのないほどの姫香の笑顔に背筋が寒くなる。
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