プロローグ 真夏の昼の夢

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「いや、そのな。あれは事故だったんだ。避けることはできなかったというか、わざとじゃないっていうか…」 「それで?」 「それで、その、だから………手加減してください」 顔を引き攣らせたオレに、月島会長は同じく笑顔で答えた。 「わかったわ。蓮君があの光景を綺麗さっぱり微塵も残さないほど忘れるくらいには手加減してあげる」 「ちょ、待っ、それって事実上の死刑宣告…!!」 最後まで言うこともできないまま、それぞれが容赦なく魔術をぶつける。 意識を完全に失う前に思い出されたのはついさっき見たある意味夢のような光景。 (本当、何でこんなことになったんだ…?) その問いに答えるためにはやはりこの合宿が始まった5時間前に戻る必要があるだろう。 しかしそれすらも許されずに、彼女たちの制裁はオレの意識を刈り取ったのだった。
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