26人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっ!?」
私、雨音(アマネ)希(ノゾミ)は桜ノ宮学園を見た瞬間、急に既視感を覚えた。
・
・
・
今日は、待ちに待った桜ノ宮学園の入学式ということで、朝から幼馴染みの衛藤(エトウ)大紀(ダイキ)と一緒に胸踊らせながら学校へ向かった。
学校へ向かっている時、ふと隣の幼馴染みを見ると…自分の黒髪を触りながら携帯に目を落としていた。
大紀は私から見てもカッコイイ部類であるはずなのに、彼女を作ったところを見たことが無い…
「ねぇ、大紀は彼女作らないの?」と聞いてみると、大紀は私の茶色の髪を触りながら…
「急にどうしたんだよ」と聞いてきた。
「別にちょっと聞いてみただけだよ」と言い返すと、
「今はお前の世話をするだけで手一杯だよ」と言い、大紀は茶色の綺麗な目を細めながら笑った。
そして、大紀は私の黒い目を見つめながら、
「そういう希は好きな奴でもいるのか?」と急に真剣な顔で聞いてきた。
「私は好きな人なんていないよ」と苦笑いしながら言うと、大紀は「そう…」とだけ答えた。
大紀のほうを向いても、髪の毛に隠れてどんな表情をしているか分からなかった…
最初のコメントを投稿しよう!