裁きの監獄

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救護室は、プリズナーの三階部分にあった。 どうやら一階と二階は牢屋、三階はそれ以外にわけられているようだ。 何とかリビドーの視界をくぐり抜け、今は救護室で一息ついている。 サヤは何とか治療できた。 俺が将来は医者になると言っていた頃、学んだ知識がここで役にたつとは。 今ではもう、そんな過去も思い出したくない。 ヒロは眠るサヤの周りを、グルグルと回り続けている。 そういえばヒロと初めて会った時、俺を人間かどうか聞いてきたな。 物珍しいのはわかるが、そこまで珍しいものか? 「ヒロ」 「なに?」 「そんなに珍しいか?」 「当たり前じゃん」 即答された上に、断言までされた。 不思議な雰囲気のある子だなとは思ったが、何だか不気味でもある。 まるでヒロが、人間とは違う何かのような気がして。 「お兄ちゃん」 「お兄ちゃんって呼ぶな。俺のことはカイトでいい」 「じゃあ……カイト。何でカイトが処刑に選ばれたのか知ってる?」 処刑に選ばれた理由。 それは俺も、恐らくサヤも知らない。 突然連れてこられて処刑って、冗談じゃねぇ。 「それをヒロは知ってるのか?」 「知らない」 じゃあ何で聞いたんだよ。
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