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ぷーへいは夕方、アルバイト先に出勤しようと歩いてたら襲われたって話。
私たちもぷーへいも突然すぎて、犯人の顔は見れていない。
「あっ!!」
「どうした?サヤ」
「ヒロを置いてきちゃったんだった」
どうしてこんな大事なこと、思い出せなかったんだろう。
私の言葉を聞いたカイトは、血相を変えて部屋を飛び出した。
私は訳がわからず後を追いかけると、さっきまで私のいた部屋の入り口でカイトは立ち尽くしている。
胸騒ぎがする。
心臓の鼓動が速くなっていく音が、まるで耳から聞こえてくるような気がして耳を塞いだ。
息が乱れ、汗も流れ出る。
私はそっと、部屋の中を見た。
ユメナラ、サメテ……!!
そこにいたのはヒロではなく、胸を大きな何かで貫かれたセーラー服の女の子がいる。
溢れ出す血の量が、彼女の死を物語っている。
「ミィ、ちゃん?」
私はその姿から、目をそらす事が出来なかった。
昨日まで生きていたその子を、私は知っている。
昨日まで笑いあって、一緒にご飯食べて、一緒に帰って……。
「ミィちゃん?」
カイトが後ろでボソリと呟くと、私に追いついてきたであろうぷーへいの声が聞こえた。
「ミィちゃんは、ミナさんの事だよ。クラスの学級委員だった」
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