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それを聞いて私は、堪えてきた涙を抑えきれずに溢れ出してしまう。
カイトもわかってくれたのか、無言で抱きしめてくれた。
私、カイトには言ってたもんね。
ミィちゃんは、私の幼い頃からの親友だって。
何でこんな形でお別れしなくちゃいけないの?
あの化け物に胸を貫かれて、苦痛に満ちたこんな惨たらしい死に方しなくちゃいけないの?
悔しい、ツライ、怖い。
いろんな思いが私の中で渦巻いて、全部全部吐き出したくなって。
「あぁ……ああぁぁぁぁ……!!」
涙と共に出るのは、声にならない叫びだけだった。
しばらくしてカイトは、ぷーへいに私を預けて何処かへ行った。
多分、ヒロを捜しに行ったんだと思う。
私はぷーへいに手伝ってもらって、ミィちゃんを私が眠っていたベッドの上まで運んだ。
冷たい地面じゃなくて、せめてベッドの上で寝かせてあげたくて。
ミィちゃんを運び終わった後、私たちは地面に座り込む。
血だまりはなるべく見ないように、ぷーへいに目を向けた。
「カイト、遅いね」
「もう10分くらいたったかな。時計が無いから、時間の感覚もわかんないや」
ぷーへいの言う通りだ。
正直時間の感覚が、無くなってきてる。
昼なのか夜なのか、もう何日経ってるのか。
私には、猛烈な空腹感が襲いかかってきてる。
さすがにご飯とか無いよね、ここ。
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